声優になるには

声優のランク制について掘り下げる

投稿日:2019年6月4日 更新日:

アニメを制作するうえでなくてはならないものが声優の存在です。

アニメが好きな人の中には声優が好きな人も多く、将来自分も声優の仕事をしてみたいと考えている人も居るのではないでしょうか。

しかし自分の仕事にしていくためには声優独自の制度であるランク制度について詳しく知っておく必要があります。ここでは声優のランク制度について深く掘り下げていきます。

声優のギャラに関わるランク制に迫る

冒頭でも説明しましたが声優というのはランク制という独自の制度があって、仕事に対して支払われるギャラも全てランクによって決まります。

ここでは声優のギャラに大きく影響するランク制そのものについて詳しく見ていきましょう。

声優ランクの基準とは~ランクと年収の関係

まず最も低いランクが「ジュニアランク」と呼ばれているランクで、ジュニアランクで仕事を続けていると自動的にランクが上がり、そこからは年数に比例してランクも上がるという仕組みになっています。

ランクが上がれば当然それに応じて1本当たりのギャラも上がりますが、ランクが上がったからと言って必ずしも年収が上がるわけではないというのが声優という業界の難しい所です。

ジュニアランクについて

声優としてデビューした場合、どれだけ実力がある人であっても3年間は「ジュニアランク」と呼ばれるランクで仕事をおこなうことになります。

ジュニアランクとは声優業界で言えば新人扱いであると思えば間違いないでしょう。

ジュニアランクの声優のギャラですが、アニメの声入れや映画の吹き替えに関しては1本につき15,000円で固定となります。

1つの作品の中でセリフがたくさんあったとしても作品中に1言だけしか話さなかったとしても金額が変わることはありません。つまりジュニアランクの声優が劇場公開作品で主役級の役をもらったとしてもギャラは15,000円しかもらえないのです。

一本15,000円というのはプロの仕事としてはとても安いように感じますがこれが現実です。

ジュニアランクの頃は声優業界では声優見習のようなものなので、声優の仕事があるだけでもありがたいと考えておいた方がいいでしょう。

当然アニメの仕事だけでは生活していけませんから、ジュニアランクの声優さんのほとんどは声優業と並行してアルバイトなど何らかの仕事をこなしながらなんとか生計を立てているというのが現状です。

3年後ジュニアランクを開放してから~ノーランクまでの道のり

ジュニアランクで3年間声優の仕事を続けていると実績がある人も全く実績を積んでいない人でもジュニアランクから抜け出してランクが付くことになります。

そこからは経験年数とともにランクも徐々に上がっていき、最高ランクになると1本あたり45,000円のギャラを受け取ることができます。

ランクが上がっていき、人気声優になるとやっと声優の仕事だけで生活していけるようになります。

更に最近では人気声優の場合は声優個人でさまざまなイベントを行ったりしますし、ユニットを組んでアイドル的な活動をする声優さんも居ます。

近年では多方面の活動をすることによって声優業以外での収入を得ることができるようになりました。

そして有名な声優の中にはノーランクという、自分で出演料を交渉できるような人も居ます。

ランクは上がる一方下がることもあるのか

ランクは一度上げた場合は周りからも、本人の意志でも下げることはできません。

上昇したランクはずっと上昇したままなのです。

ランクが上がると仕事は減る傾向がある(儲からない)と言われているがそれって本当?

声優業界ではランクが上昇すると仕事をもらえなくなるという現象が発生すると言われています。

結論から言えばこれは紛れもない現実です。仕事が減る傾向にあるのはランク制独自の決まりが大きな原因となっています。

先ほど解説した通り、アニメの声入れのギャラはどれだけたくさんセリフを話したとしても1本あたりのギャラは変わりありません。

制作サイドからすればギャラが高い高ランクの人を1人雇うよりも極端な話ジュニアランクの声優を雇うほうが同じギャラで複数人呼ぶことができます。

したがってランクが上がっていくと制作者サイドからオファーがなかなか来なくなってしまい、仕事が減るという結果に至るのです。

先ほど人気声優はランクが付くとやっと声優業だけで食べていけると書きましたが、逆にランクが付いたことによって全く仕事が入らなくなり、バイトを始めざるを得ないという声優もたくさんいるのです。

代表的なノーランクの方の年収一覧

ノーランクの声優は誰もが一度は声を聞いたことがあるような超有名な人たちばかりです。

ほかの声優では代えがきかないほど重要な存在であると言えるでしょう。

ノーランクの声優になるとギャラは固定制ではなく個人で自由に交渉することができます。したがって年収は一般的な声優とは比べ物になりません。

代表的なノーランクの声優の年収ですが、ノーランクを公表している声優さんはほぼおらず、確実にノーランクと判明できるのは、1本あたり新人声優の10倍のギャラをもらっているとテレビで公表した孫悟空の声などでおなじみの野沢雅子さんだけです。

野沢雅子さんの場合、推定年収は4,000万円ほどだと言われています。

しかし野沢雅子さんをはじめほとんどのベテラン声優さんは劇団を主宰していたり声優養成学校の講師をしているなど声優以外にも幅広く仕事をしています。

声優のランク制度によって守られている日本俳優連合とは

ほとんどの声優はデビューすると日本俳優連合に加入することになります。

実は声優のギャラがランク制なのは日本俳優連合という組合に加入しているからこそなのです。

日本俳優連合があるおかげで新人の声優は不当に低いギャラで仕事をさせられることなく、決められたギャラを受け取ることが出来ています。

年齢はランクに大きく影響があるのか

ランク制度のメリット

ランク制のメリットは収入が保証されているという点でしょう。

そのランクに位置していれば極端な話どれだけ下手でも仕事さえもらえれば決められたギャラを受け取ることができます。

ランク制度のデメリット

先ほど解説したように、ランクが上がると逆に仕事をもらいにくくなるという点です。

高ランクでも仕事を途切れなくもらえるのはよほど実力がある人や個性的な声を持った人に限られるでしょう。

ランク制度が適用されない仕事

CMやアナウンス、ナレーション、ゲームの仕事の具体的なギャランティー

アニメ以外の仕事で声を担当した場合は放送目的利用料が発生するため、アニメや吹替えの場合とは受け取るギャラが異なります。

CMやナレーション、アナウンスの場合は依頼するサイドによってギャラが大きく変わります。

地方のスーパーなどの場合は1本1,000円程度ですが、全国放送のコマーシャルになると1本100万円以上になることもあります。

そしてゲームの声入れはワードが多ければ多いほどギャラが多くなり、主役級のキャラの声を担当すると1時間の仕事で10万円以上もらえるため声優が請け負う仕事の中ではかなり高額です。

声優のランク制にはいい面もあれば悪い面もある

声優のランク制には新人声優の不当な雇用を防ぐという意味ではとても良い制度ですが、逆にどれだけ演じても出演料が固定されていることによってベテランの声優が仕事をもらえないと言った弊害も生じています。

ですから声優として将来的に仕事をもらい続けるためにはジュニアランクの時にいかに知名度を上げ、たくさん仕事をするかがとても重要だとされているのです。

 

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